谷川岳

2011/01/21~2011/01/23 西黒尾根ピストン

 

クリスマスの八ヶ岳ピークハント、正月の五竜G5に引き続き部長は一人で元気に冬山行。相変わらず部のメンバーは同行してくれないので、パートナーはThe 社会人のATC氏。そのATC氏が仕事の都合で当日朝着だったので、前乗りしていた自分はロープウェー駅で待機。折しも前夜から強い冬型による豪雪となっており、先行して天神尾根に向かっていたガイドパーティは100mほど進んで撤退してきたらしい。曰く「あんなの無理。進まない」

それでもATC氏が到着すると準備を整えてデッパツする我がパーティ。しかし登山指導センター裏の雪に足を踏み出した瞬間から激ラッセル。写真では腰くらいだけれども、ちょっとルート選択をミスると直ぐに胸やら首やら頭上ラッセルが始まる。言ってた通りだ、こりゃ進まねぇな、剱じゃないんだし・・・なんてブツクサ言いながら2人で先頭を交代しつつ登り続け、この日はデッパツが遅かったこともあり1100m地点で適当な平坦地を見つけてステイ。こんなシチュエーションではスノーシューやらスキーやら使えば本当に楽なんだろうなーとは思うけれど、結局は「重い!」という理由だけで使わないという何ともアホな自分・・・。

 

 

 

食糧にはモチが多め。モチは重量&容積の割に高カロリーかつ腐らないので長期に及ぶシビアな山行では重宝する。しかもモチを焼くのに必要なガス量は驚くほど少なくて済む。アルファ米のように水を消費しなくても済むし、冬山には最高の食糧だ。因みに自分は醤油と砂糖とで食べるのが好きなのだが、この冬はATC氏のきな粉で食べることが多かった。

そして翌朝もラッセルから始まる。この日はまだ視界も100mほどあったけれど、それでも雪は柔らかい。森林限界を超え弱層テストを試みるも、特に弱い部分があるというよりは全体が新雪で締まっていない。とてもじゃないが雪庇の張り出したリッジを進む気にはなれず、下の斜面まで下って巻いていく。

昼過ぎにはラクダに到着したものの、そこから上は斜度があり雪崩れそうだった上に適当な幕営地を探し出せるかどうかも怪しかったため、稜上のちょっとした窪地を整地してテントを張る。天候も悪化しそうだったので本当は雪洞を掘りたかったのだが、雪が柔らかすぎた上に掘れそうなポイントまで下るのも面倒だった・・・。

 

 

雪洞を掘らずにテントを張り、さらに夜中の除雪も面倒がってテントの中から雪を蹴っ飛ばしていただけだったため、朝には降り積もった雪で圧迫され危うくテントごと流されそうな状況になり、テント内部も2人用のはずがソロ以下のサイズになってしまっていた。中から出入口を塞いだ雪をかき分けて外に出ると、前日までとは比較にならないドカ雪、しかも超絶弱層ができあがっていたので、もう上に向かうのは無理だと判断して撤収開始。

   

しかしそこから樹林帯に下るまでが最大の難関で、一度は踏み出した足下からパックリ雪面が割れて流れ出し、自分自身は1mほど運ばれただけで止まったものの、そこからスラフっぽい感じで下の方まで雪崩れていったりもした。しかも視界はコンプリートリーホワイトアウト、雪庇と空の境界が見分けられないために5m進んでは目を凝らして周りを見渡し、そしてまた5m・・・といった繰返し。小さなギャップで雪庇の上に飛び降りる恐怖ったら・・・!

そんなこんなで樹林帯まで下ると雪も割と安定し、ペースも順調に。そこら辺では、どうやら前日の自分達のトレースを使って上がってきていたパーティが2つほどあったらしく、雪洞跡が残っていた。しかし何れも既に下山してしまっていた。くっそ、トレース泥棒め(笑)

という訳で、JRが止まるほどの豪雪となった当の週末、谷川岳一帯で最高到達点を記録したのは恐らく我がパーティであります!そんな最高到達点での1枚。風が無かったのが幸いかな・・・でも東側だから当然か。次に冬の谷川に行くなら2月にしよう、1月は雪が不安定すぎる。